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中古住宅というものは、第三者が所有し居住していた物件が売りに出されるもの。当然ながら品質は千差万別であり、場合によってはリスクを伴うという可能性も。本ページでは、古い建物の品質を確認するための方法について解説していますので、ぜひ知識を深めてください。
そもそも中古住宅の品質というものは、一般の方にはなかなかに判断が難しいもの。築年数を調べたり、経年劣化の度合いなどを目視で確認するといったことはさほど難しくありませんが、それらだけでは、中古住宅の本当の品質というものは分かりません。そこで、安心して中古住宅を購入するための仕組みとして、以下のようなものがあります。
それぞれの仕組みについて、以下で詳しくご説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「インスペクション」という中古住宅の品質を担保する方法があります。簡単に言うと、住宅に関する専門知識を有する建築士が、中古物件に対し調査を行うことです。
大まかに「建物状況調査」と「ホームインスペクション」の2種類があり、調査範囲や項目などに違いがあります。それぞれどのような調査をするのか、確認していきましょう。
一般的に「インスペクション」と言った場合、この建物状況調査のことを指します。既存(中古)住宅の現状を把握するために行う調査で、国が定めた講習を受けた建築士が、第三者の視点で既存住宅に劣化や不具合などの発生状況を調べます。
調査対象は「既存住宅状況調査方法基準」というものに基づき、「構造耐力上主要な部分(基礎や外壁など)」、「雨水の浸入を防止する部分(屋根や軒裏など)」、「耐震性に関する書類の確認」の3項目。
歩行可能な範囲で目視や計測を行う、といった性格の調査になるため、見えない部分の検査は含まれない点に注意しましょう。
国土交通省が定める「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づき、各調査会社が行う検査のことを指します。実施する会社によって調査内容が異なるというのが留意すべきポイント。
例えば、前述の建物状況調査の項目は約40なのに対し、ホームインスペクションを専門的に手掛ける業者のなかには、100以上の項目を調査するという場合も。それゆえ建物状況調査で「問題なし」と判定された中古住宅でも、ホームインスペクションで不具合が発見されるというケースもあります。
元々は新築住宅を対象とした制度として2000年にスタートしましたが、2002年8月より、既存(中古)住宅を対象とした性能表示制度が開始されました。国土交通大臣の登録を受けた第三者機関である「登録住宅性能評価機関」が、住宅の調査対象項目それぞれを1~5の等級で評価します。
新築住宅の場合は構造の安定、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境・エネルギー消費量に関することなど、10分野33項目が対象となりますが、中古住宅の場合はそれらのうち中古住宅でも評価可能な9分野28項目、ならびに中古住宅のみを対象とした2項目が設定されています。
なお住宅性能評価書付き住宅に関しては、以下のページで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が扱うもので、中古住宅の検査と保証をセットとした保険です。この保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査に合格しなければなりません。その上で、対象となる中古住宅を購入した後、欠陥が見つかった場合には補修費用等の保険金が支払われる、という類のもの。事前と事後の安心を提供している保険です。
平成29年12月1日に施行された国土交通省の告示による制度で「不安」、「汚い」、「わからない」といった中古住宅のネガティブなイメージを軽減し、中古住宅を選択しやすい環境を整備することを目的としています。
対象となる中古住宅は、一定の耐震性があり、前述した「建物状況調査」が行われた物件、かつ売主がリフォームを行うかリフォームの提案を付帯するというもの。さらには建築時の適法性や認定、維持保全、保険や保証などの情報も開示されます。より安心して購入するための配慮がされている物件に「安心R住宅」マークが付いています。
以上の通り、国土交通省や業界団体では、様々な取り組みによって、積極的に中古住宅を購入しやすい体制を整えています。新築住宅よりも安価で、立地や間取り、デザイン性の高い物件など「中古だから…」という理由で諦めてしまうのは勿体ないです。
不動産物件を購入する際に知っておいた方が良い情報をまとめていますので、ぜひ下記ページなども参考にしてみてください。