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不動産の購入に際し、不動産会社に支払う仲介手数料について解説します。
仲介手数料には法令で決められた上限額があるため、不動産会社の匙加減で価格を自由に上げることはできません。逆に下限額はありませんが、一般的には上限額いっぱいの金額を設定されることがほとんどです。
不動産購入における仲介手数料とは、不動産会社のお世話になった買主や売主が、売買契約の成立に伴いその不動産会社に支払う対価のこと。売買契約が成立した場合のみ発生する費用なので、成功報酬の一種と考えても良いでしょう。
不動産会社から見れば、売買契約を成立させない限り仕事が徒労に終わるため、成功報酬が期待できれば積極的に売買仲介活動を行う動機になります。逆に買主・売主から見れば、不動産会社が積極的に活動してくれることで契約可能性が高まる上、もし契約が成立しなければもお金を負担しなくて良いというメリットもあります。
不動産会社と顧客の双方が協力し、互いにウィン・ウィンの関係を目指すためのお金。それが仲介手数料と言えるでしょう。
なお、仲介手数料には10%の消費税が加算されることも覚えておきましょう(2024年2月現在)。
仲介手数料に相場はありません。詳しくは後述しますが、新築であれ中古であれ、仲介手数料は不動産の宅地建物取引業法で定められた上限額の範囲内で決まります。
「範囲内」である以上、不動産会社の判断や不動産会社との交渉次第では、上限額より低い金額になることもありえます。ただし、ほとんどのケースでは上限額いっぱいの金額に決まることになるでしょう。
宅地建物取引業法で定められたルールに従い、不動産の売買価格別で仲介手数料の上限目安を見てみましょう。
売買価格 | 仲介手数料の上限(A) | 消費税額(B) | 不動産会社に払う仲介手数料の上限目安(A+B) |
---|---|---|---|
1000万円 | 36万円 | 3万6000円 | 39万6000円 |
2000万円 | 66万円 | 6万6000円 | 72万6000円 |
3000万円 | 96万円 | 9万6000円 | 105万6000円 |
4000万円 | 126万円 | 12万6000円 | 138万6000円 |
5000万円 | 156万円 | 15万6000円 | 171万6000円 |
6000万円 | 186万円 | 18万6000円 | 204万6000円 |
7000万円 | 216万円 | 21万6000円 | 237万6000円 |
8000万円 | 246万円 | 24万6000円 | 270万6000円 |
9000万円 | 276万円 | 27万6000円 | 303万6000円 |
1億円 | 306万円 | 30万6000円 | 336万6000円 |
※売買価格には消費税を含まない
宅地建物取引業法に基づき、仲介手数料の上限額の計算方法(速算式)を見てみましょう。
仲介手数料上限額=取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税
仲介手数料上限額=取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
取引物件価格(税抜)×5%+消費税
仮に西東京市でマンションを購入する場合、一般的には取引価格400万円超になると考えられるため、大半のケースでは「取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税」が適用されると考えましょう。
たとえば、親族や知人から直接不動産を購入すれば、不動産会社は関与しないため仲介手数料は掛かりません。あるいは、不動産会社自身が建てた物件を直接購入する場合も、不動産会社は売買を仲介したわけではないので(不動産会社の所有物件を買っただけなので)、仲介手数料は無料です。
仲介手数料は、あくまでも「不動産会社に売主・買主の取引を仲介してもらったとき」に生じるもの。そのため、仲介なくして不動産を購入・売却した場合には、仲介手数料はかかりません。
不動産の購入に際し、不動産会社に支払う仲介手数料の意味、上限額の目安などについて解説しました。
仲介手数料は、不動産の取引価格に比例して上下しますが、マンションなどの購入に際しては高額になることが一般的。通常、支払方法は一括またはニ分割で、現金払いのほか銀行振込やスマートフォン決済(PayPay、Amazon Payなど)などに対応している業者もあります。
キャッシュレス決済ならポイント還元も期待できるため、不動産会社へ仲介を依頼する際には、仲介手数料の支払方法もチェックしておくと良いでしょう。